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2021.08.02 コメント映像<髙嶋政宏>編!




髙嶋政宏コメント
 映画『醉いどれ天使』は数え切れないくらい何度も観てきた作品です。それを舞台化する。しかも三池崇史監督の演出で。その興奮は凄まじかったですね〜。だいたい僕は、舞台に出演するときは自分の感覚だけで“これは絶対面白い!”と感じたら台本読まずにお受けするんですが、今回はその極めつけ!
 黒澤明監督作品を初めて観たのは小学校高学年くらいのときです。最初は『用心棒』から入ったんですが、当時は『燃えよドラゴン』や『ジョーズ』が流行っていて、僕もブルース・リーとスティーブン・スピルバーグにハマっていたところに、日本にも三船敏郎というこんなカッコいい俳優がいるんだ、こんなに偉大な映画監督がいるんだと大変な衝撃を受けたことを覚えています。そこから『椿三十郎』『七人の侍』と観ていって、いまだに三船さんは僕のヒーローなんです。デビューして数年たって、ある映画のパーティーで一度だけお会いできたんですが、それからさらに観漁った時期にこの『醉いどれ天使』と出会うわけです。あのギラギラした松永。台詞は何を言ってるのかわからないところもありますが、その勢いには息をするのも忘れるくらい!『醉いどれ天使』は、その勢いが肝。もちろん舞台では、あまり早口にならず聴き取れる滑舌で頑張ります(笑)
 その『醉いどれ天使』で、岡田という役をやれるというのは非常に感慨深いものがあります。松永の前に現れる最大の“壁”と言っていい役ではありますが、岡田も夢半ばで死んでいく儚いヤツなんですよ。そんなことをふまえて、エンターテイメントに仕上げてお客様を最後まで飽きさせないようにしなければ!といまは気合い入れています。様々な色を見せていかないと「面白かったね」とは言ってもらえないと思うんです。「すごかったけど疲れたね」ではいけない。エンターテイメントとして、どう魅せるかですよね。明治座という大きな舞台でどう表現するのがいいのかということも稽古で探っていくことになると思います。
 でも脚本は、どちらかというと明治座ではなく、僕が好きでよく行く下北沢の本多劇場のような、小劇場の匂いがプンプンするんです。それを明治座で上演するというのが面白い。すばらしいと思いました。また、昭和の匂いも濃いんです。聞くところによると、いま上演するからこそ、あえて昭和のまんまをやることをポリシーとしているということだったので、それが今の若い世代には新しく映るという面白さもあるかもしれません。ビジュアル撮影の雰囲気も、僕はもう昭和のヤクザかシチリアのマフィアかという感じですからね(笑)何か匂い立つようなものがあって、皆さんが目にする写真は、最高のものが出来上がったんじゃないでしょうか。ただし、このまま稽古場に行ったら、三池監督に「内に入り込みすぎだよ」って言われそうですが(笑)
 僕にとっては、念願の三池監督との仕事。『殺し屋1』が大好きで人間を縦に真っ二つに切るあのバイオレンス、もう最高です。そこから察するに、僕とはまた違ったフェチの変態だと思うので(笑)そんな話も楽しみながら柔軟に稽古ができたらいいなと思います。それから、松永と岡田の立ち回り、いやもう殺し合いですね、それをどう演出してくださるのか。ギリギリのところでの戦いを怪我のないように(笑)やりきりたい。そして、それはやはり生で観ていただくのが一番だと思うんです。生身の人間が吐き出す声やほとばしる汗を感じて、人間が生きているっていうことを観ていただけたら何よりです。